高潮対策モーゼ計画

モーゼ計画
2003年に開始した「モーゼ計画」は、当初は8年で完成する予定でしたが、財源不足、途中で汚職の問題も発生してヴェネト州知事やヴェネチア市長が2014年に逮捕されるなど、様々な困難にぶつかり、現在は完成2021年と推定されています。モーゼ計画は、電気機械実験モジュールの頭字語(MO.S.E.:MOdulo Sperimentale Elettromeccanico)であり、高潮の問題からヴェネチアを救うために考案されたで未稼働のプロジェクトです。最長29メートルの独立した78個の可動式ゲートからなる「可動式ダム」のシステムで、3つのラグーン開口部(リド2、マラモッコ1、キオッジャ1)の海底にコンクリート製ケーソンが 配置されます。潮が110センチに達したときに、この可動式ゲートが上昇しなければなりません。モーゼ計画は、高さ3mまでの潮からヴェネツィアとラグーンを保護し、今後100年間で最大60cmの海面上昇から保護することを計画していました。

モーゼ計画停滞の現状
2019年11月12日後のインタビューで、トリノ大学の教授、エンジニアでモーゼ計画の技術委員であるフランチェスコ・オッソラは現状を説明しました。「モーゼ計画はまだ完了しておらず、テストも実施されていない。2018年12月にインフラ輸送省に書面で提出して、2019年の可動式ゲートを持ち上げるテストが予定されたたままで中断している。可動式ゲートを持ち上げるテストを決定できるのは技術委員はいず、政府機関の決定が必要である。」もし緊急事態があった場合、誰かが可動式ゲートを稼動する指示を出す必要があり、2019年11月12日後、政府は最終的にモーゼ計画完成の監督にインフラ輸送省大臣に任命しました。モーゼの構想を練り始めて40年、モーゼ建設開始から16年すぎたにも関わらず、いまだに完成もテストもされていません。

モーゼ計画の技術的説明
2019年11月12日の時点で、3つの開口部(リド、マラモッコ、キオッジャ)のうち、可動式ゲートを稼働できるのは全体の33%です。モーゼの3つの開口部は、合わせて全部で78個の可動式ゲートで構成されています。これらの可動式ゲートはそれぞれ独立しており、独立して稼働して高潮に対抗し、ラグーンの水も考慮しなければなりません。稼働させるには、各可動式ゲートに制御システムが必要です。現時点で、リド開口部にある2つの開口部の1つの開口部の制御システム監視室は空室のままです。制御システムは、変化を感知するセンサー、可動式ゲートの高さを調整し、空気と水の出し入れを行うポンプを管理しています。
こうした状況が、2019年11月12日にモーゼ計画の可動式ゲートを上げなかった理由です。現時点では、モーゼ計画が実験室内の実験条件のみで行われきたというのが現実です。この現状では、2019年11月12日の時速120kmの風に対して、その波に対応できるか、どのように対応できるか知ることは不可能でした。ある専門家の意見では、この状況下で可動式ゲートを上げていたら、可動式ゲートは制御不能になり、破壊して水に流されてしまっていたであろと推測しました。

3つの開口部リド、マラモッコ、キオッジャ
必要に応じて閉鎖する3つの開口部分リド、マラモッコ、キオッジャの中で、最も広いリド開口部は2箇所の開口部に分かれています。21個の可動式ゲートがある北水路と、20個の可動式ゲートがある南水路です。 2箇所の開口部は処理システム設備が配置されている人工島で接続しています。マラモッコ開口部は最も深く、船が産業商業港に通過するため、航海盆地が建設されました。19個の可動式ゲートで構成されています。キオッジャ開口部は、主に漁船と港用の船の通過に使われています。閉鎖中であっても、船の出入りを保証するために、二重航海盆地を備えた建設が計画されています。18個の可動式ゲートがあります。

テスト結果の現実
技術操作施設と制御室がマラモッコの開口部に建設され、すぐ横には全体の管制塔が建設されましたが、一部のコンプレッサーバッテリー、備品、エレベーター、さまざまな配管、多数の油圧式アクチュエータなどの補助設備が不足しています。実験的に操作されますが、最終テストが不足していて、制御室と可動式ゲートの開閉手順の承認が欠落しています。可動式ゲートの異なった吊り上げ試験の結果は良好でしたが、マラモッコの開口部の実験は振動してしまい、一部の配管の異常により中断されました。

海底のコンクリート製ケーソン
コンクリート製ケーソンの設備は可動式ゲートを収容するために海底に敷設されています。塩化物や硫酸塩、波、および波打ち際のさまざまな作用に耐え、約100年間の耐用年数で保証されている新型コンクリートです。鉄筋補強されたケーソンは海底に敷設され、サイズは60 x 35メートルです。※ ケーソンは、防波堤などの水中構造物として使用されます。または地下構造物を構築する際に用いられるコンクリート製又は鋼製の大型のケース

モーゼ計画の予定スケジュール
2020年6月30日  最終プラントの建設終了と操業開始
2021年12月31日 引き渡しと管理の開始

モーゼ計画の可動式ゲートのテスト
可動式ゲートの臨時稼働は、電気機械の全体的な機能をテストし、システムの性能を測定し、定期的な吊り上げ作業を通じてシステムのメンテナンスを保証するために実行されます。臨時操作では、システムの最終構造の冗長性と安全装置を使用せずに、能力を縮小して、最小限に抑えた設備(主に機械、電気、制御)を使用します。補助装置(Hvac設備、消火設備など)は数ヶ月後に完成される予定です。モーゼ計画を完了するためには、まだ2億ユーロが必要で、現在ヴェネツィア監督局は停止しています。プロジェクトの契約条項に従って作業が進行した場合のみ支払われます。委員会の計画によると、可動式ゲートは試験中ではありますが、2020年の秋にはヴェネチア保護にむけて稼働されるされるそうです。

モーゼ計画の費用と進行状況
ラグーンへのアクセスの3つの開口部(リド2+マラモッコ1+キオッジャ1)の78個の可動式ゲートの当初の総費用は34億ユーロでしたが、これまでに55億ユーロ以上の費用がかかり、2014年の汚職スキャンダルによって停止されました。ヴェネチアヌゥオーヴァ組合は、代表委員の管轄で、納期は2021年末に予定されています。政府はモーゼ計画が現段階で94%構築されているとを伝えていますが、完成するには2億ユーロが必要です。委員会の計画によれば、2020年の秋に可動式ゲート吊り上げるテストを行い、高潮から街を保護する可動式ゲートで開口部を閉めることになっています。メンテナンスは年間少なくとも8000万ユーロが必要だそうです。このメンテナス費用はまだ特定されていない公的管理機関によって支払われます。水理学エンジニアと環境保護主義者の大部分は、モーゼ計画の真の効果を疑っています。すでに2006年に、機械模型製作分野の世界的リーダーであるPrincipia事務所の研究では、海の波の状況次第で可動式ゲートが不安定になり、無効果になる可能性が予測されました。

モーゼ計画は、遅延、論争、調査、賄賂の話しばかり持ち上がります。 2019年11月4日に可動式ゲートを上げるテストは振動が多いため延期され、現時点で2022年に稼働開始は疑問視されています。唯一確実なことは、政府がこれまでに55億ユーロ出費したことです。故障修理のために7億ユーロかかりました。毎年約1億ユーロの稼働保証のメンテナンス工事は8年前に完成していはずが、最終的に16億ユーロの費用がかかりました。開口部の海底に78個の可動式ゲート(長さ29m)が設置されたコンクリート製ケーソンが構築され、110cmの高潮で可動式ゲートが稼働する準備はできましたが、可動式ゲートを上げるために、船が崩壊したり、キオッジャ開口部の海底のケーソンの爆発したり、いくつかの問題が発生したにも関わらず、工事は続きました。また、ラグーンの環境調査では、工事の影響で海底侵食警報を報じましたが、モーゼ計画は開始され、2013年最初の可動式ゲートを吊り上げました。

マラモッコ開口部での2019年12月4日の可動式ゲートテストの中止
2021年末には工事完了が予定されていますが、可動式ゲートを上げる最後のテストも停止されています。マラモッコ開口部での12月4日の可動式ゲートの間違った吊り上げテストの後、可動式ゲートの一部を上げて高潮の影響を緩和することは可能かどうか、疑問が上がりました。2019年12月23日、クリスマスイブに150 cmの高潮が予測され、リド開口部の北水路の可動式ゲートの稼働要請は、公共事業局長によって正式に承認されました。あまりにも多くのリスクが伴い、最終的に拒否され、いまだに試験を行う段階でなことが理解されました。可動式ゲートを上げるコンプレッサーの一部、非常用発電機、運転員が不足しています。つまり、モーゼ施設は存在しますが、稼働しないため、存在しているだけです。

2020年1月14日のリド開口部20個の可動式ゲート吊り上げのテストとその後のテスト費用の問題
2019年のモーゼ計画停止後、特に11月と12月の引き続き起きた例外的な高潮の後、可動式ゲートのシステムテストは再開されました。リド開口部の真ん中にある人工島と南水路サン・ニコロの間の可動式ゲートの間の吊り上げ試験が2020年1月14日に実行されました。実際、モーゼ計画のテストにおいては、過剰なコストとテストの数に論争を引き起こしているにも関わらず、テストは継続されています。 月に2回のテスト予定され、今日はキオッジャの北側のの可動式ゲート、翌日には南側の可動式ゲートとテストを行っていますが、各テストには多くの費用がかかります。2020年1月14日のリド開口部の南水路サン・ニコロでのテストの費用は3万ユーロで、2019年12月のマラモッコ開口部でのテストは2倍以上でした。理事会は予算を超えないように資金調査を要求する予定です。2020年3月3日のマラモッコでのテストは財政的資金がないために実行されないとい可能性もでてきています。