ヴェネチア近郊ワイナリーの旅〈アマローネ〉

ヴェローナ観光と長期熟成赤ワイン「アマローネ」のワイナリー巡りの旅

【提供内容】
 ワイナリー手配と通訳、ヴェローナ観光
 料金:一組 40,000円 

人数とご希望を確認させていただいたのち、下記の内容をベースに見積もりをご提案します。

  • ヴェネチアとヴェローナの列車往復費用
  • ヴェローナとワイナリー巡りの専用車費用
  • ワイナリーの訪問と試飲費用(ご相談の上、試飲内容を決めます)

【日程】

  1. ヴェネチからヴェローナ列車移動
  2. ヴェローナ観光
  3. ワイナリー訪問 2箇所
  4. ヴェローナからヴェネチア列車移動

<アマローネの歴史と醸造>

アマローネの歴史が始まったのは、比較的最近のことで、ヴェネト州のロミオとジュリエットの話の舞台となったヴェローナ近郊のヴァルポリチェッラで生産されるようになってから約80年経ちました。アマローネの製法は独特で、陰干ししたブドウから造るため、豊かなアロマと濃縮した味わいが特徴で、20~30年は熟成する長熟なワインです。 今や世界中のワイン愛好家を虜にする有名ワインです

アマローネを語る前に、まずはヴァルポリチェッラ原産地呼称としては最古の歴史を持つ『レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラ』についてご紹介します。アマローネの先祖とも呼べる存在で、アマローネ同様に陰干しした乾燥ぶどうから作られます。

凝縮された糖度が十分な量に達してから醸造を始めます。このワインの甘さとストラクチャーを作り出すのに必要な糖度を維持するため、発酵過程はこの時点で止められます。ヴァルポリチェッラで作られる唯一のデザートワインですが、その安定したトーンと程よい酸味のおかげで、嫌な甘ったるさは全くありません。

アマローネという名前は、レチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラと区別するためにつけられた「アマーロ」という「苦い」という意味の言葉に由来しています。

アマローネは偶然の産物で、生産中に起きた意図しないミスから誕生しました。アマローネは、レチョートと同じ地域で生産され、同じブドウを使い、同じ生産技術で造られています。にもかかわらず、出来上がったワインは全く異なるもので、骨格のしっかりしたフルボディの長期熟成赤ワインです。

アマローネと同じように陰干ししたブドウで造る甘口ワイン「レチョート」は、2000年以上前から造られているのに対し、アマローネが世間に知られるようになったのは1936年のことでした。

1936年に「カンティーナ・ソシアル・ヴァルポリチェッラ」で名前がつけられました。セラーマスターのアデリーノ・ルッケーゼは、しばらくセラーで忘れられていたレチョートの樽を発見したました。ルッケーゼは、その樽の中身を試飲してみると、すぐにルビー色の黄金の液体を手にしたことに気づき、ルッケーゼは「これはアマーロではなく、アマローネだ」と絶賛したそうです。この表現は、すぐにこの素晴らしいワインのシンボル、そして名前となり、ラベルにもすぐに使用されました。

このように、アマローネの誕生は、発酵中のレチョートの樽を忘れていて、幸運のミスでした。ワインは発酵を続け、糖分をすべてアルコールに変えてしまい、レチョートはより辛口で、よりアルコール度数の高いワインに変わっていいたわけです。発酵が進むにつれて、糖分は減り、アルコール分が増え、驚きのワインに変身していたのです。こうしてヴァルポリチェッラの運命を変えるワイン、アマローネが誕生しました。

とはいえ、当初はアマローネよりもレチョートの方が格上とされていたため、アマローネの価値に気づき、史上最高の赤のデザートワインとして国内外にその地位を確立するまでには、約80年の歳月が必要でした。

最初のラベルと最初の販売書類は、1938年に作成され、1953年以降に販売され、すぐに大成功を収めました。1968年に最初の規定が承認され、アマローネはDOCを獲得し、DOCGに昇格したのは2010年と最近で、他の1980年に昇格したイタリア高級ワイン「バローロ」「バルバレスコ」「ブルネッロ」に比べると、かなり遅れてDOCGに昇格しました。

ヴァルポチリェッラ地区で古くから栽培されていた土着品種コルヴィーナ種、ロンディネッラ種、モリナーラ種のブレンドで造られます。収穫されたブドウは、風通しのよい高台の部屋で乾燥され、乾燥期間は約100~120日と長期的な乾燥により、ブドウは30~40%まで水分を取り除き、糖、タンニン、酸、ミネラルなどが凝縮し複雑なアロマを形成します。ブドウを陰干しするアマローネの醸造方法は、醸造に使える果汁が3分の1以上減ってしまい、1本のアマローネを造るためには一般的なワインの数倍も原材料費のコストがかかります。さらに、熟成期間は2年、リセルヴァは4年を要し、アルコール度数は14%以上と他のDOCGワインに比べるとかなり高い規定です。アマローネは時間もコストもかかる贅沢なワインなのです。