Trieste トリエステ

ヴェネチアから普通列車で所要2時間5分

トリエステは、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州の州都で、トリエステ県の県都です。アドリア海に面した港湾都市で、スロベニアとの国境に位置しています。トリエステの街並みは「小ウィーン」と呼ばれているだけあり、第一次世界大戦までは長らくオーストリア=ハンガリー帝国の統治下にあり、その重要都市として繁栄しました。第一次世界大戦後にイタリア王国領となりますが、第二次世界大戦後はイタリアとユーゴラスビアとの間で帰属をめぐる 紛争が生じ分割統治され、その国境が確定したのは、1954年になってからのことでした。一時期は国際連合管理下の「トリエステ自由地域」が置かれていました。こうした歴史が今日も色濃く残り、イタリアにいながら異国情緒を感じさせる不思議な街並みと雰囲気がトリエステの特徴です。

街の中心の大きなウニタ・ディ・イタリア広場(イタリア統一広場)周辺にはオーストリア風の建物があります。19世紀ロイド社を筆頭に多くの保険会社や海運会社が設立され、ネオクラシック様式の建築が多く建築されました。19世紀に建てられた景色の素晴らしいミラマーレ城は、オーストリア帝国皇帝の弟である海軍司令長官兼、メキシコの皇帝マクシミリアンが、22ヘクタールの庭園と共に住居として建造したトリエステ湾とアドリア海が見渡せる建物です。

こうした建築群が多く残っている一方で、街中に忽然と表れるローマ時代の円形劇場「テアトロ・ロマーノ」や背後の丘にには小さな町が点在しており、昔からイタリア人とスロヴェニア人が混在し て住んでいた地域があります。文化史的にも興味深い都市で街中にはジェームス・ジョイスの像があったり、トリエステ文学の存在はイタロ・ズヴェーヴォとウンベルト・サーバがあります。こ の国境都市を訪れると、地中海的であると同時に北欧的でもあり、ラテン、スラブ、ゲルマンの世界と境を接していることが実感できる不思議な空間を感じさせる都市でもあります。ウンベルト・サーバをはじめ、イタリア文学の翻訳を手がけた須賀敦子さんが随筆した「トリエステの坂道」の舞台にもなっています。秘かな須賀敦子さんファンの方にお勧めの街でもあります。

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