2016年4月 アカデミア美術館「アルド・マヌツィオ ヴェネチアのルネッサンス」

現在、ヴェネチアのアカデミア美術館で「アルド・マヌツィオ ヴェネチアのルネッサンス」の展示会が6月19日まで行われています。
アルド・マヌツィオは世界で初めて「小型本」を発明し、イタリック体と句読点を導入しました。
マヌツィオは1452年にローマの近郊の村で生まれて、1490年にヴェネチアで初めて著書を出版し、1494年にヴェネチアで印刷所を設立し、1515年に亡くなりました。
マヌツィオがもたらした印刷技術の改革はヨーロッパ全土に大きな影響を及ぼしました。マヌツィオは、優秀な出版業者、印刷技術者である一方で、商業面でも優れた人物であり、ヨーロッパ各地での販売も実践しました。また、彼はルネッサンスの人文学者でもありました。
マヌツィオが「小型本」を発明する以前は、一作品約1000部も出版できれば十分でしたが、マヌツィオの「小型本」の技術を導入したおかげで、一作品の平均出版部数は、その3倍の3000部も可能になりました。
今と違って、当時の書籍は高価なもので、富裕層などの限られた階層の人々が購入できるものでした。マヌツィオの発明が書籍の分野において変革をおこしたおかげで、このように発行部数の増加が可能になり、書籍の価格も下がり、庶民でも購入ができるようになりました。貧しい故に勉学をあきらめていた貧民層の人々も、書籍の購入が可能になり、マヌツィオの発明は、社会における多岐にわたる重要な貢献となりました。
マヌツィオの革新的な発明は、今日同様、新しいものが誕生すると当時も模倣されると言う点では同じでした。そこで、マヌツィオの印刷所の商標を考えだします。その点も、先見の目のある人でした。1502年に「イルカと錨」の商標をつかいだします。
マヌツィオが出版した総書籍数は131点で、その中でも107点が現存し、296部のオリジナルが残っているそうです。
こちらの展示会では、マヌツィオのギリシャ語とラテン語のオリジナル本の書籍を紹介しながら、アカデミア美術館所蔵の芸術作品(ジョルジョーネ、カルパッチョ、ジョヴァンニ・ベッリーニ、チーマ・ディ・コネリアーノ、ティッチアーノ、ロレンツォ・ロット、ピエトロ・ロンバルドも同時に展示して、時代背景を語る展示方法になっており、大変、興味深い展示でした。入り口では、無料で音声ガイドを貸してくれます。
残念ながら、日本語はありませんので、英語の音声ガイドとなります。