食文化

徒歩移動が多いヴェネチアの街では、気軽にひと休みできるカフェから地元人に人気のバール、パスティッチェリア(お菓子屋)は足を休めるに最適な場所です。イタリア人の暮らしに欠かせないカフェやバールでエスプレッソを立ち飲みしたり、軽いランチを食べてはいかがですか。またバカロ(ヴェネチア風居酒屋)で、ヴェネチアならではの食前酒を立ち飲みしてはいかがですか。軽く食べたり、ひと休みしたりする時に立ち寄るヴェネチアならではの歴史あるカフェ、バール、バカロ、パスティッチェリアでの食文化の楽しみ方ご案内します。

 

<カフェ Caffè>

ヴェネチアの歴史を感じさせる老舗のカフェでコーヒーのひとときはいかがですか。

歴史深いヴェネチアのカフェ文化

ヴェネチアは国際貿易都市であったことも影響し、コーヒーがいち早く輸入された歴史があります。1600年代初めに中東からヴェネチアに輸入され、それからヨーロッパに広まりました。最初のカフェはサン・マルコ広場に1683年にオープンし、数年間で数もいっきに増え、100年後には24個のカフェが広場にあったと言うことですから、ヴェネチア人の生活に欠かせないものだったことは伺えます。このようにヨーロッパでも最も早くカフェ文化が花開き、今でも歴史的なカフェが数多く残されている街です。
上流社会の社交場だったカフェ。当時の面影を残す内装やカメリエーレ(ウェイター)の正装コスチュームに、ヴェネチアらしいカフェの歴史を感じることができます。歴史的なカフェの代表は、サン・マルコ広場に集中してあります。最も歴史の古いカフェ・フロリアンから、カフェ・クワードリ、カフェ・ラヴェンナなどがあります。

カフェ・フローリアン Caffè FLORIAN

1720年創業、ワーグナーやプルーストなどの文化人や芸術家たちも足しげく訪れたという老舗です。春から夏にかけては店先で生のミニオーケストラの演奏が行われ、サン・マルコ大聖堂や広場を眺めながら、テラス席で演奏を楽しめます。当時の豪華な内装がそのまま残った室内席など、どこに座っても美しいひと時が過ごせます。カーニバル時期は、貴族風衣装で着飾った人たちが席を埋め、昔にタイムスリップしたような風景に出会うこともあります。

 

<バール Bar> 

ヴェネチアらしいひと時が過ごせる地元人に人気のバールでサンドイッチやパニーニはいかがですか。

イタリア全土にどこにもあるバールですが、各土地の特色が感じられます。バールでは、通常コーヒーからサンドイッチ、パニーニ、クロワッサン、小型のケーキ、更にワインや食前酒などもあつかっています。朝ならクロワッサンとコーヒーやカプチーノなどを、お昼はサンドイッチやパニーニを、おやつの時間なら小型のケーキとコーヒーなど召し上がっていただけます。

ヴェネチアでは、他の都市に比べてもtramezzino(トラメッジーノ)と呼ばれるサンドイッチの種類が豊富です。トラメッジーノは、柔らかい食パンにハム類、チーズ、卵、野菜を挟んでたっぷりとマヨネーズを加えたサンドイッチ のことです。ヴェネチア人の大好物なので、バール側も期待に応えるべく、食べるのが難しいくらい山のように盛り上がった具沢山のものが店頭に並んでいま す。ヴェネチア人に人気バールでトラメッジーノを味わってみてはいかがでしょうか。

 

<バカロ Bacaro> 

ヴェネチアならではの居酒屋バカロでアペリティーボ(食前酒)とチケッティ(おつまみ)はいかがですか。

夕方になると、食前酒の時間とばかりに、立ち飲みする人でバールがにぎわっています。これはイタリアのどの都市でもみられる光景です。イタリアの習慣で、軽いアルコール類にちょっとしたおつまみを食べながら、夕食前のほんのひとときを楽しく過ごすラテン国らしい習慣です。夕方にバールに行ってアペリティーボ(食前酒)を試してみてはいかがですか?夏は最高で夜10時頃まで日が落ちない時期もあります。それ故、日の長い夏は2、3杯のアペリティーボを思わず飲んで、気持ちよくなってしまうこともあります。

スプリッツ(Spriz)

イタリアでは、アペリティーボはプロセッコ(発泡性の白ワイン)やビールが全国的に定番ですが、ヴェネチアだと皆がオレンジ色をした飲み物を飲んでいます。 これは、ヴェネチア発祥の「スプリッツ(Spriz)」と言う食前酒です。アペロール(Aperol) というオレンジ色の甘味のリキュールに、白ワインと炭酸水を加えたものです。ヴェネチア周辺にはプロセッコの産地もあり、白ワインの代わりにプロセッコで割ることもあります。

「スピリッツ・アペロールSpriz Aperol」は本来ヴェネチアで最も飲まれていて、アぺロールの風味が影響して少し甘めです。「スピリッツ・ビッターSprizBitter」はアぺロールの代わりに、皆さんもご存じの苦味のリキュールのカンパリ(Campari)をアぺロールに変わって使うので、苦めの赤色のス ピリッツとなるわけです。どちらを飲むかは好みにもよりますが、まずは元祖スピリッツ・アぺロールを飲んでみて下さい。緑色のオリーブを串にさして、グラスに入れてでてきます。このオリーブを食べながらスピリッツ・アぺロールを飲むとヴェネチアの味と言った感じです。もちろん、美味しい、不味いはあるので、是非とも現地で賑わっているバールで、現地人に混ざってスピリッツを立ち飲みして談笑を楽しんで下さい。

チケッティ(おつまみ)

最近では、他の都市でもスプリッツが流行し始め、ヴェネチアを州都とするヴェネト州以外の北イタリアの地域で普及して、大都市ミラノでも流行しています。やはりスピリッツ発祥の地で、ヴェネチアならではのチケッティ と呼ばれるカ ウンターに並んだいろいろなおつまみを食べながら味わってみて下さい。種類がありすぎて、どれも食べたくなってしまいます。ポルペッタと呼ばれる素朴な味わいのコロッケ風のもので、中身は肉、シーチキン、野菜といろいろあります。その他フライ系のものが多種あります。イワシの南蛮漬け、スライスしたパンに様々な種類の具がのったもの、小イワシの酢漬け、野菜類のおつまみもあります。バールやバカロによって様々ですが、1件と言わず、是非ともいろいろなところで試してみて下さい。

バカロは基本的にはカウンターで、チケッティをつまみながら、ワインを立ち飲みする場所ですが、テーブル席があって座って食べる場所も多くあります。最近では、カウンターでの立ち飲みシステムをなくして、レストラン的にテーブル席で座って、チケッティとワインを飲むところも増えてきています。

勿論ヴェネチアならではの魚介中心にした前菜からパスタやメイン料理も味わえます。ヴェネチアにいらっしゃたら、是非おいしいバカロに足を運び、ヴェネチアの食文化を楽しんで下さい。バカロはお昼も夜も楽しめますが、やはり夕方にヴェネチアならではのアペリティーボのスプリッツを飲みながらチケッティをつまんでから、夕食でヴェネチア料理にあった夕食を満喫してみるのはいかがですか。

 

<パスティッチェリア Pasticeria>

ヴェネチアのパスティッチェリアでご自慢のケーキやクッキーはいかがですか。

ヴェネチアのお菓子はミニケーキが多く、チョコレート系、フルーツ系、シュウクリーム系、ムース系など沢山の種類があります。甘さもイタリアのお菓子にして は、甘さ控え気味です。それ故、甘いものに目がない人は2個ぐらい軽く食べれます。また、ヴェネチアならではのいいろいろな種類のクッキーも種類多くあります。お勧めは大昔にブラノ島で復活祭のお菓子として作り始められた「ブッソラ」(Bussolà)とヴェネチアの大運河のS字型をイメージした伝統的なクッキー「エッセ」(Esse)です。卵黄を沢山使ってつくられるので、黄色っぽい色の素朴な味わいで、歯ごたえの良いクッキーです。「ヴェネチア版鳩サブレ」と言った感じです。冬でしたら、カーニバル中のお菓子として有名な「フリッテラ」(Frittera)です。直径5cm位ボール形をしたドーナツで、クリームが入っているものとないものがあります。12月から3月まで売られています。