地理 特殊な立地条件

ヴェネチアの島は120の島が密集して存在しており、その島々が400の橋で結ばれています。その多くは19世紀に造り加えられたもので、全ての橋が太鼓橋なのは、水面と陸上の差が少ない為なのです。島は路地と広場、建物が150の水路の網で形成されています。こうした水路は人工的に造られたものが多く存在しています。これらの水路は昔(今日も同様)船で物資を運送する為に必要に迫られて造られました。現在、世界でも唯一の水の都と呼ばれる由来になった独特の景観が特徴的なヴェネチアの島は、美的景観を意図した多くの素晴らしい建築物もありますが、島の建造に関しては景観にこだわったのではなく、生活していく上で必要に迫られて建造されたわけです。

ヴェネチアの島の建物は、不安的な基盤に適した重みのかからない軽さを意識した構造が必要でした。まず、先のとがった木の杭を建物の外壁から地層にまで打ち込みます。また床部分に木の杭を打ち込んでもいます。この地層は砂と粘土が混ざったカラントと呼ばれる層です。この層の上には旧ユーゴスラヴィア領から運んできた海水に強いイストリア石を積み、これが基礎土台となります。そして、さらにレンガの壁をその上に積んでいきます。建物の主要な構造部分は木が使われています。梁、部屋間の壁、天井なども全て木です。理由としては木は建物の重荷を減少させ、ヴェネチア独特の湿気を吸収することでした。ヴェネチアの建築において木の梁は構造的に欠かせないもので、中には天井そのものに木の梁が突起していて、色鮮やかにきれいな装飾を加え、伝統的なヴェネチアならではの内装となっています。

ヴェネチアには、車が走る道路は存在しません。交通手段をつかっての移動は船で運河を移動し、それ以外は徒歩のみとなります。住民の公共の交通手段は水上バス「ヴァポレット」で、シーズン中は観光客が多い満員電車並みで一本見逃さないと乗船できないこともあります。こうした状況を避けるために30分位徒歩で仕事や学校に通うと言うのは日常的な光景です。基本的にヴェネチア人は幼い時から歩きで生活することに慣れています。ですから都市の電車、車で移動している人々に比べたら「徒歩」が当たり前の移動手段なのです。他の交通手段は公共の水上バス(ヴァポレット)と観光客専用の水上タクシーがあります。