イタリアワイン

統計表2009年から2015年までのO.I.V. (国際ブドウ・ブドウ酒機構 )データー 世界ワイン生産量hl/million」をご覧になっていただくとわかりますが、イタリアワインは生産量世界第1位です。この過去5年間をみると、2011年だけフランスが1位で、常にイタリアが1位、そして2位がフランス、3位がスペイン、4位がアメリカす。平均生産量でも、イタリアが47.6hl/millionで、フランスが46hl/millionです。

統計表2015年のO.I.V. (国際ブドウ・ブドウ酒機構) データー世界ワイン生産量細分化」をご覧になっていただくと、世界のワイン生産量はイタリアが世界の18%、フランスが世界17%をしめています。O.I.V. (国際ブドウ・ブドウ酒機構)は、ブドウ栽培やブドウ品種、ワイン醸造に関する総合的な研究機構です。O.I.V.には、46カ国が加盟して、各種の統計発表や、研究集会を開催したり、ブドウ栽培、ワイン醸造、ラベル表示などに関する基準の制定も行っています。

ISTAT (イタリア国立統計研究所) 2011年の統計表をみると、イタリア20州の中で生産量を比較すると、1位のヴェネト州が20%、2位のエミリア・ロマーニャ州が15%で、3位プーリア州が14%、4位シチリア州が11%で、世界的に有名なイタリアワインを生産しているバローロやバルバレスコ産地のピエモンテ州と、キャンティ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ産地のトスカーナ州は5位で6%となっています。
現在2016年で状況は変化しているかもしれませんが、2008年から2011年の5年間の統計をみても、圧倒的に1位はヴェネト州で、2位はエミリア・ロマーニャ州かプーリア州のいずれかです。3位と4位は年によってエミリア・ロマーニャ州、プーリア州、シチリア州で変化していますが、4位までの順位はこの4州でほぼ不動であることがわかります。

イタリアの伝統的な格付けは4段階があり、EUワイン規則の格付けは異なった3段階があります。
イタリアのワインを購入した際に、この4段階の格付けを確認してみて下さい。

** イタリア格付け4段階 **
1. DOCG (Denominazione di Origine Controllata e Garantita 統制保証原産地呼称)
2. DOC (Denominazione di Origine Controllata 統制原産地呼称)
3. IGT (Indicazione Geografica Tipico 限定産地表示テーブル・ワイン)
4. VdT (Vino da Tavola テーブルワイン)

** イタリアワイン格付け4段階の歴史 **
フランスワインのAOC (1935年制定)を手本にして、イタリアでワインを法的に特定したのは1963年で、まずは「DOC」が定められました。
そして1980年に「DOC」の上位に「DOCG」を設けられ、「VdT」も加わり、「DOCG」「DOC」「VdT」の3段階ができました。
1992年には「VdT」の上位に、生産地の表示を義務付けた「IGT」を新設しました。

** ワイン格付けの歴史 **
ワイン醸造には、ブドウ品種、土壌、栽培、気候、収穫時期、製造、貯蔵など、各要素が重要で、これらが統合して、ワインの個性が現れます。各ワインの個性を明確に表現し、品質を保っていくためには、生産地域をより狭く限定して規制していき、そこで品質の基準となるのが「格付け」です。1930年代に、ヨーロッパで悪天候が数年続き、そして経済不況にも陥り、有名産地のあるフランスのワイン産業も打撃を受けました。そこで、フランスの有名な産地を偽るワインが大量に出回ることもありました。知名度のあったボルドー、ブルゴーニュなどでは、その対抗手段として法律の制定して、AOC (原産地統制名称)が1935年に始まりました。産地を偽る偽物の製造から、産地の伝統、個性や品質を保護する意図があります。ヨーロッパ連合(EU)に加盟しているワイン生産国に対して、2009年に新しい規定が発令されました。新しい法律に基づき、ワインラベルの記載などは改訂され、名前も知らず、初めて味わうワインでも、格付けを参考にワインを選ぶ目安にもなります。

** イタリア格付け4段階の説明 **

1. DOCG (Denominazione di Origine Controllata e Garantita 統制保証原産地呼称)
・イタリアワインの格付けの中で一番厳正な規定が設けられ、申請の前に少なくとも5年間、DOCのカテゴリに属していなければなりません。
・農林省、商工会議所の化学・物理検査を受け、各ボトルには政府が認可したことを証明する、「検査合格認証公式シール」がボトルの頭部に貼る規則になっています。
・必ずしも、一般的に言うフルボディなワインに限らず、ワインそのものに歴史と伝統があり、自然と文化と結びつき、そして評価が高いワインが条件です。

注意点:国の専門試飲委員会が品質管理を生産者達に義務づけて、ワインの品質を向上させており、DOCワインの中でも「より評価の高い」 ワインが持つ権威を国が保証するものとされていますが、「国の保証」という点に批判的な意見も存在しています。
例えば、同じDOCGワインでも、異なったDOCGワインの比較においても、品質面での差がありすぎて、不均等な面が問題になっています。

2. DOC (Denominazione di Origine Controllata 統制原産地呼称)
・栽培から出荷までの全生産過程は規定に基づき行われます。その内容は、生産地、最大収穫量、葡萄品種、醸造方法や熟成期間・方法に加え、色調、香り、味わい、酸度、アルコール含有量(最低アルコール度数)、その他の基準が定められています。
・瓶詰めの前に、規定された必要条件を満たしているか、審査、化学・物理検査が商工会議所によって行われます。
・各DOCの規定の詳細は、その地域の生産者達(品質保護協会等)によって確定され、その案が国立原産地呼称委員会に提出され、審議・決定される
仕組みになっています。

3. IGT (Indicazione Geografica Tipico 限定産地表示テーブル・ワイン)
テーブルワインの中でも、特定の産地で特定の葡萄品種 を最低85%使用が義務付けられたワインで、生産地(州,県,地域)が特定でき、
ラベルにはブドウ品種と年が大抵記載されています。

4. VdT (Vino da Tavola テーブルワイン)
最低の基準はありますが、瓶詰の際に、ブドウ品種、収穫年、原産地の表示の義務もなく、 EUで認められた品種で、アルコール度が9%以上であれば、どのブドウ品種も使用可能です。一方で、規定にしばられることなく生産されので、質の高いワインも多く造られています。

スーパートスカンが登場するまでは、イタリアワインの最高峰はDOCGで、大抵のワイン生産者はDOCGの認定を目指してワインを造ってきました。基本的にイタリアワイン規定は、原産地の特徴が反映されているワインを評価します。DOCGに認定されるには、使用するブドウ品種は土着品種の使用規定があり、熟成期間なども定められた範囲内でワイン造りを行わなければなりません。スーパートスカンは、これらの規定に応えて、ブドウ品種や熟成期間などは規定通りではありませんが、世界的に品質を高く評価されています。
1944年にマリオ・インチーザ・デッラ・ロッケッタ侯爵が、ボルドーのシャトー・ラフィット・ロートシルトから譲り受けたカベルネ・ソーヴィニヨンの苗木をトスカーナ州のボルゲリ村の丘陵地に植樹したところから、「サッシカイア」の歴史が始まります。

伯爵は自分の所有する畑には、大抵のトスカーナ産ワインが使用していたサンジョヴェーゼなどの土着品種よりもカベルネ・ソーヴィニヨンの方が適しているのではないかと想定していました。本来自家用ワインとして造られていたサッシカイアでしたが、市場に出す製品にするため、醸造責任者やボルドー大学教授の力を借りて品質を高めていきました。伝統的に規定にとらわれず、最高ワインを造り出そうとする情熱と、その挑戦でもありました。

そして1972年に有名なワイン英国評価誌「デキャンター」が主催する「ブラインド試飲会」が行われました。ボルドーの一級シャトーから、イタリアのDOCGワインなどの高い評価を受けているワインが集まる場に「サッシカイア」も参加することになりました。この試飲会トで「サッシカイア」がボルドーの一級シャトーに対して、圧倒的に勝利し、一躍世界中に「サッシカイア」の名が知られることになり、「サッシカイア」の伝説が始まりました。

侯爵の努力は実って、イタリアワイン最高峰DOCGの規定から外れても、最高級のワイン醸造が可能であることを世界中のワイン愛好家は驚きました。その結果、イタリア政府はワイン産地としては地味だったボルゲリ村のDOC規定を見直し、「ボルゲリ・サッシカイアDOC」を制定しました。規定外のワインがDOCに制定されるという、奇跡が起きました。正に伯爵の努力と挑戦から、最初のスーパートスカンが誕生しました。

これ以降、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルローを主体としたブドウ品種で数多くの高品質のスーパートスカーナが造られてきました。伯爵のおかげで、ボルゲリ村はボルドーの品種に向いた土壌という評価が高まり、新しい生産者がやってきて、「グラッタマッコ」「オルネッライア」「パレオ」「カマルカンダ」など、数々の銘酒を次々と誕生させ、ボルゲリは高級イタリアワインの代名詞となりました。

EUワイン規則の格付け3段階はフランス語で表記されます。
1. AOP (Appellation d’Origine Protégée 原産地名称保護ワイン)
2. IGP (Indication Géographique Protégée 地理的表示保護ワイン)
3. SIG (Vin Sans Indication Géographique 地理的表示のないワイン=テーブルワイン)

このEUワイン規則の格付け3段階がイタリア語になると下記のようになります。
1. DOP (Denominazione di Origine Protetta原産地名称保護ワイン)
2. IGP (Indicazione Geografica Protetta地理的表示保護ワイン)
3. Vino da Tavolo (テーブルワイン)

EUワイン規則の格付けにイタリアの伝統的な格付けを当てはめると下記のようになります。
実際、イタリアワインの殆どが伝統的格付け表示をしており、EU表示のある生産者は限られています。
1. AOP (EU) / DOP (イタリア) → DOCG&DOC
2. IGP (EU /イタリア) → IGT
3. SIG (EU) / Vino da Tavolo (イタリア) → VdT

イタリアでは、かなり多くの種類のワイン用ぶどうが栽培されています。イタリアには20州ありますが、このサイトでは、州別にワインの紹介をしながら、各州ブドウ品種を紹介させていただきます。

そうした中で、イタリアで生産量の多いブドウ品種は
・サンジョベーゼ:イタリアで一番多く作られているぶどうの品種。D.O.C.G ではキャンティなどに使われる。
・カベルネ・ソーヴィニヨン:(フランスワインなどでいちばんよく使われるぶどう品種)と比べると、渋みは軽めで甘みと酸味はサンジョベーゼの方がちょっと多いかな、と思います。
・ネッビオーロ:「ワインの王にして、王のワイン」と言われ、知名度も値段も高いバローロに使われるブドウ品種です。ピエモンテ州の一部の地域のみが、栽培、土壌、気候的に適切です。
・バルベーラ

さて、マリアージュとは、何でしょうか。
料理、チーズ、デザートの特性・特徴を考慮して、適したワインを組み合わせることです。ワインを品評する際には、ワインの色、味わい、香りなどでワインを評価します。ワインだけ飲んで楽しむこともありますが、ワインは本来食事と共に楽しむお酒です。食事とワインを組み合わせることで、ワインだけではたいしたことがない場合でも、ある料理とあわせたら、お互いの風味を引き立てるようになったりもします。料理があってのワイン、ワインあっての料理という、マリアージュは本来のワインのあり方を気づかせてくれます。ワイン醸造者も、一緒に食べる料理を思い浮かべながら造るそうです。飲む側も「このワインはどの料理と合うだろう」と考えながらワインを飲むと、食の愉しみも幅広くなることでしょう。

日本のソムリエ資格取得は、30%の合格率だそうで、大変難しいそうですね。
特に第1レベルの試験は初回の合格確率は非常に高いとか。

私はイタリアのFISARソムリエ協会で資格を取得しました。
第1レベルではワインの歴史、ブドウ栽培、ワイン醸造技術、その他のアルコール類の製造技術を主流に学びます。
第2レベルでは本格的に世界中のワイン関連知識を学びます。試験では、イタリア各地のブドウ品種とワインの種類が多く、それ以外にも世界中のワイン情報を記憶するのは非常に苦労しました。
第3レベルでは「マリアージュ」を学びます。料理:前菜、パスタ・リゾット、メインディッシュ、そしてチーズ、デザートとワインの適切な組み合わせの知識です。

日本のマリアージュ情報も世界共通の基本情報に則っているのだと思いますが、やはり最終的にはソムリエ資格を取得する国の料理を基礎にマリアージュの構想を練って、料理に合ったワインを考えるようですね。とは言え、一部のフランス料理や寿司、さしみ、などもありましたが。それ故、私はイタリア料理ベースで、マリアージュを学びました。
試験の内容は、第1レベル(筆記)は日本ほど難しいことはなく、ある程度勉強していれば、試験は通ります。第2レベル(筆記)は、落ちる人もいるようです。第3レベル(筆記、実技、テイスティング)は、やはり最終のソムリエ資格取得にもなるので、第1、第2レベルで勉強してきた全知識とマリアージュが試験内容です。多大な量の内容を覚えなければなりません。